
概要
ゴジラの生みの親 本多猪四郎監督作。元々は日米合作でゴジラとフランケンシュタインという日本と西洋の代表的な怪物・怪獣を戦わせる企画だった模様だが、どういうわけかゴジラは取り止めとなりゴジラシリーズにも登場する(どちらかというと弱い・・?)地底怪獣バラゴンと変更されたようだ。
本家のゴジラシリーズは初代と2作目の「ゴジラの逆襲」まではシリアスでホラー要素も強かったにも関わらず、1960年代以降は子供向けでコミカルな路線に方針転換して行かざるを得なかったという事情から、本作はむしろ「本多監督が本来自分自身がやりたかったものではないか?」なんてことが言われてたりもする。真相やいかに。
あらすじ(ネタバレ)
元々はゴジラが出る企画だっただけのことはあり、初代ゴジラと似た部分がプロットに見られる。
主人公怪獣のフランケンシュタインとは、第二次大戦期にナチスドイツの化学班によって「不死の兵隊」の研究が行われており、そこで完成した「フランケンシュタインの心臓」。この心臓は強力な自己治癒力を持つ。この心臓がドイツから枢軸国として同盟国だった日本に防共協定で持ち込まれ、そしてそのままドイツも日本も敗戦、さらにフランケンシュタインの心臓は広島で原子爆弾を被曝することで怪獣化(巨大化)、広島で、戦災孤児のように浮浪少年として生きているという結構ドキッとする際どいあらすじ。
ここまでは初代ゴジラが被曝することやオキシジェンデストロイヤーを開発する眼帯の芹沢博士がなぜかドイツ人によく知られており、戦中怪しい研究をしていたのではないか、という生態研究への仄めかしがある事(別に断定されてはないが)とも設定的に近しいものがあるだろう。
そこからフランケンシュタインは唯一自分に優しくしてくれた広島衛戍病院の研究員の戸上季子女史(演:水野久美)にだけ慕っていくあたりは、今度はキングコングを思わせるストーリーでもある。
他にも松代大本営跡地(大本営が移転しそうだったという有名な場所)など、初代ゴジラ同様戦争を感じさせる重いテーマが隠れており、評価が高いのもうなづける出来。
補足
それから本作の続編として「フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ」(1966)という二人のフランケンシュタインが対決する続編も出ているが、こちらもマニアに人気が高い。
有名どころではブラッド・ピットがこの映画のファンだったり、進撃の巨人の作者諫山創先生なども好きな模様。ぶっちゃけ獣の巨人ってサンダガイラにそっくりだしね・・。

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